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再帰系や二重他動詞について

Last-modified: 2017-05-13 (土) 00:00:14

✧ 再帰系や二重他動詞について
ここでは他動詞が再帰系と単向系に分けられてる理由や二重他動詞について説明します。

【再帰系について】

  • 例(再帰系帰着タイプ)
    QUI SHAFT_ЯES FÖRM
    彼女が服を着る
  • 例(再帰系離反タイプ)
    ЯAI SOOL_ЯES FÖRM
    私が服を脱ぐ
  • 例(単向系)

    QUI BANG_ЯES DAѤL
    彼女が壁を殴る(単向系)

のように再帰系も単向系も両方二項動詞で同じように見えますが、単向系は他動者の動作が直接動作対象に及んでいるだけなのに対し、再帰系は実際には

彼女が服を(自分自身に)着る

私が服を(自分自身から)脱ぐ

というように動作対象の移動先の着点(や起点)が主語の他動者自身に設定されているために、着点や起点を表す項が省略されている動詞なので、表面的には単向系と同じように二項動詞になっているだけで、実際には(内部的には)再帰系は三項動詞です。
この動詞の内部構造の違いが二重他動詞化した際にも影響するのでゼノスでは他動詞は二種類に分けられています。

【二重他動詞について】
二重他動詞化した際も元になる動詞が再帰系か単向系かによって表される事態の性質が違うものになります。

まず、単向系の他動詞は例えば
「BANG(殴る)」を二重他動詞化すると「BANANG(殴らす)」という単向仲介系他動詞になります。
具体的には

ЯAI BANG_ЯES DAѤL
私が壁を殴る

ЯAI BANANG_ЯES DAѤL PIS VUI
私が彼に壁を殴らす

のようになりますが、
この単向仲介系となる二重他動詞は主語となる人物が目的語に対して仲介者の腕を掴むなどして仲介者に目的語となる動作対象に行為をさせる事を表します。(ゼノスにおいて使役扱いされない理由は後述します)

それに対して脱再帰系の他動詞は例えば再帰系他動詞「着る」を二重他動詞化すると「着せる」になります。

他動詞
ЯAI SHAFT_ЯES FÖRM
私が服を着る
二重他動詞
ЯAI SHAFAFT_ЯES FÖRM PIS VUI
私が彼に服を着せる

のように他動詞の時には省略されていた着点が、二重他動詞化する事によって顕在化されています。
これは主語自身に固定されていた着点を自身以外にしているだけという事になるので、
ただの他動詞の時に内部に設定されていた再帰性が解除されているという事を意味します。

つまり表面上は

ЯAI BANANG_ЯES DAѤL PIS VUI
私が彼に壁を殴らす
ЯAI SHAFAFT_ЯES FÖRM PIS VUI
私が彼に服を着せる

のように単向系も再帰系も二重他動詞化した際は三項動詞となって同じように見えるものの、表される事態はまったく違うという事です。
単向系とは違い再帰系は動詞が持つ再帰性を解除=脱再帰化してるだけなので、斜格で表される項は仲介者にはなりません。
なので、単向系の他動詞は二重他動詞化しかできないのですが、再帰系の他動詞のみ二重他動詞化した後に三重他動詞化が可能で、三重他動詞化する事で脱再帰の仲介系他動詞になります。

【脱再帰系の三重他動詞化】
再帰系他動詞を二重他動詞化する事で再帰性を解除した脱再帰系他動詞を三重他動詞化し脱再帰仲介系他動詞にするにはアプラウトするだけです。
ゼノス語の自動詞と他動詞はアプラウトの関係にあるものの、通常そこに規則性はありませんが、脱再帰系を三重他動詞する際は以下のように完全に規則的になっています。

A→E
I→O
U→A
E→U
O→I
OO→AѤ
EE→UѤ

  • SHAFAFT(着せる)

    SHEFEFT(着せさす)

ЯAI SHAFAFT_ЯES FÖRM PIS VUI
私は彼に服を着せる

ЯAI SHEFEFT_ЯES FÖRM PIS VUI PIS QUI
私は彼に彼女に服を着せさす

ЯAI MADAѤD_ЯOG JAPT PIS DAѤL
私は壁にペンキを塗った

ЯAI MEDEѤD_ЯOG JAPT PIS VUI PIS DAѤL
私は彼に壁にペンキを塗らさした

【仲介系他動詞と使役態の違い】
これは単向系からの仲介他動詞にしても脱再帰からの仲介系他動詞にしても主語が与格で表わされるものに動作をさせている、もしくは仲介者を道具として扱い主語が何かに対して働きかけている事態を表すわけですが、
これらはゼノス語では使役とは考えません。
というのはゼノス語においての使役とは指令態にしても依頼態にしてもあくまでも実際に動作を行う被使役者に自主性があり事態への関与が間接的なものを、使役的な行為といいます。
それに対して仲介系他動詞は仲介者の意志・自主性は一切関係なく、主語が仲介者の手を取るなどして強制的に目的語に対して他動的行為をさせる事態を表します。
この仲介者は具格で表わされるような道具的立ち位置で、それを道具のように扱い主語が目的語に対して他動的行為を行っていると考えられ、事態へ直接的に関与している事になるので、ゼノス語の使役の定義には当てはまらないために使役とは区別されています。

【注意が必要な他動詞】
日本語でいう塗る、貼る、付ける、拭くなどの対象物の帰着・離反を表す動詞は注意が必要です。
というのはこれらの、動作の成立に動作対象物の着点への到達や起点からの離脱が必須の動詞はゼノスでは二重他動詞となっているために、
つまりこれらの動詞はただの一重他動詞の時には着点や起点が主語自身に設定されている再帰系だからです。
例えばMAѤD(塗る)という動詞は「着る」と同じように一重他動詞の時は

(自分自身に)塗る

というように着点が主語自身に設定されている再帰系となっています。

一重他動詞の状態では

ЯAI MAѤD_ЯES JAPT

とすると
「私は(自身)にペンキを塗る」
という意味になってしまいます。

これは例え

ЯAI MAѤD_ЯES JAPT PIS DAѤL

のように与格で着点(DAѤL=壁)を表しても、
同様の構造を持った日本語の「着る」で例えれば「私は彼に服を着る」
のようなニュアンスになってしまうので非文になります(無理矢理解釈すれば主語自身の一部に壁と呼べる部分があるような意味になってしまいます)。
これを日本語の「塗る」と同じように自身以外を着点にした意味にするには、
MAѤD→MADAѤD
のように二重他動詞化=脱再帰化する必要があり、二重他動詞化する事でようやく

ЯAI MADAѤD_ЯES JAPT PIS DAѤL
私は壁にペンキを塗る

のように日本語と同じような感覚で使える「塗る」という意味の動詞になります。
(ちなみにこの話とは関係ないですが、
再帰系MAѤD((自身に)塗る)に対応する自動詞はMUѤDですが「JAPT MUѤD PIS DAѤL」で「ペンキが壁に塗らさる」=「ペンキが自ら動いて壁に付着する」という意味になります)