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全て有対動詞

Last-modified: 2017-05-15 (月) 02:29:32

✧ 全て有対動詞

ゼノスの動詞は自動詞と他動詞があり、
全て有対動詞です。
全て有対とはどういう事かというと、
例えば通常存在しないと思われる「押す」「着る」「食べる」などの一般に言う無対他動詞とされるものもにも全て対応する自動詞がゼノスには存在するという事です。
例を示すと、通常多くの言語で無対の他動詞の「押す」を意味する動詞はゼノスでは「TASH」ですが、それに対応する「TUSH」という自動詞がゼノスには存在します。
具体的には

DEP TUSH_ЯOG

であればボタンが自ら凹んだ状態になった事を意味します。
これも正確には他の自動詞と同じように表面上では区別できませんが、意志自動詞と意志自動詞の下位分類の自発自動詞、発動自動詞、従動自動詞があり得ます。

意志自発自動詞であれば
”生物のように意思を持ったボタンが意志的に凹んだ状態に変化する”

無意志自発自動詞であれば
”ボタンが自然的に凹んだ状態に変化する”

意志発動自動詞であれば
”生物のように意思を持ったボタンが外的な要因をきっかけに意志的に動作性を発動し凹んだ状態に変化する”

無意志発動自動詞であれば
”ボタンが外的な要因をきっかけに動作性が発動し突然凹んだ状態に変化する”

意志従動自動詞であれば
”背景化されている他動者の手によってではあるものの生物のように意思を持ったボタンが意志的にそれを受け入れて凹んだ状態に変化する”

無意志従動自動詞であれば
”背景化されている実際の他動者の手によって無意志的に凹んだ状態に変化する”

という感じなのですが、問題なのは「TUSH」を日本語に訳する時にどうなるかというと、「TUSH」の訳語は「押ささる」になります。
押ささるは聞きなれないかもしれませんが、これは北海道や栃木県宇都宮で使われている表現です。
北海道方言や栃木県宇都宮方言の-(r)asaruは逆使役化の接辞と言われているもので、他動詞にこの接辞を付けると他動詞が逆使役化され自発表現に変わります。
自発表現とは”動作者の意志とは無関係に起こる動作を表すもの”です。
要するに自動詞化するわけです。
(※ただ、通常は使役というのは「使役者となるある人物が被使役者に対して指示命令をし、被使役者にある行為をさせる事」を使役と言いますが、
逆使役などの名称で使われている使役とは因果性が意味に含まれた行為の事をいいます。
つまり「私がドアを開ける」のように他動詞で表される行為も使役的行為とされ、それを直接使役、通常の使役態で表される行為を間接使役と言ったりするようですが、
ゼノスにおいては使役や使役的行為というのはあくまでも使役態で表される行為の事を言い、他動詞で表される行為はあくまでも他動的行為と言い、他動詞の主語はあくまでも他動者、使役態の主語が使役者、自動詞の主語は自動者と言います。
なのでこういったものはゼノスが使われている世界においては「逆他動」という事はあっても「逆使役」とは言わないのでそこは注意が必要になります)

ゼノスにある通常無対の他動詞の自動詞を日本語で表す場合は、この逆使役化の接辞を付けたものを訳語に当てています

つまり、
「押す」を意味する他動詞TASHの自動詞TUSHは「押ささる」
「着る」を意味する他動詞SHAFTの自動詞SHUFTは「着らさる」
「食べる」を意味する他動詞GRAPの自動詞GRUPは「食べらさる」

というようになっています。

FÖRM SHUFT_ЯOG
は日本語にすれば
服が着らさった
になりますがこれも自発自動詞、発動自動詞、従動自動詞の三種類があり得ます。
それぞれを具体的に言えば(意志的、無意志的の区別はここでは省略します)、

”自発自動詞”であれば、服自らが動き飛んでいくなどして人間の体につく様子を表します。

”発動自動詞”であれば、
例えばリモコンのボタンを押すと自動的に飛んでいって人間の体につく特殊な服があったとして、誰かが実際にリモコンのボタンを押した事がきっかけで特殊な服の潜在的な動作性が発動して人間の体につくという事象が発生した様子を表します。

”従動自動詞”であれば実際には服に対して着るという動作をしてる者がいるところを服の方に着目する事であたかも服自身が自ら動いたかのようにその様子を表します。

同様に
HAPAM GRUP_ЯOG
パンが食べらさった

になりますが、

”自発自動詞”であれば、パン自らが生物の口へ飛び込んでいく様子を表します。

”発動自動詞”であれば、外部からの何らかの働きかけがきっかけで特殊なパンの潜在的な動作性が発動して、パン自らが生物の口へ飛び込んでいく様子を表します。

”従動自動詞”であれば、実際にはパンに対して(掴んで口に持っていくなどして)食べるという行為をしている他動者がいるところをパンの方に着目する事であたかもパン自らが生物の口へ飛び込んでいくかのようにその様子を表します。

ここで注意が必要なのは、北海道方言や栃木県宇都宮方言の逆使役化の接辞は単純に言えば自動詞化といっても自発表現に切り替えているだけなので、
ゼノスでいう無意志自発自動詞には相当しますが、意志自発自動詞、意志・無意志発動自動詞、意志・無意志従動自動詞の意味は実際には持ち合わせてません。
これは一般的には逆使役化と言われていますが、根本的な機能としては”意志性の抑制”とも言われているので、
ご飯を食べらさった=うっかりご飯を食べてしまった
のように無意志的な他動詞としても使える上に

「今日は暇だからそこに行かさる」
(今日は暇だからそこに行く事ができる)

「空腹だから沢山食わさる」
(空腹だから沢山食べる事ができる)

のように可能表現としても使われているものなので、
これはあくまでも日本語に訳する際に対応する自動詞がないために無理矢理この接辞を付けたものを訳語に当てているだけという事をご理解ください。

補足
少なくともゼノスにおいては他動詞構文の事態をイメージして、その映像から他動詞の主語である他動者を消して考えた時の直接目的語が行なっている動作が概ね自動詞の動作と考えます。


  • 「彼女が彼を走らしている」状況から彼女を映像から消して事態を思い浮かべて、彼が行なってる動作=「走っている」

しかし、食べる、着る、脱ぐなどの再帰系他動詞は”主語を消す=着点(あるいは起点)を消す”という事になってしまうので、再帰系に関しては脱再帰化された二重他動詞でイメージして、その映像から他動者を消して考えた時の直接目的語が行なっている動作が概ね自動詞の動作と考えます。


  • 「彼女が彼に帽子を被せた」状況から彼女を映像から消して事態を思い浮かべて、帽子が行なっている動作=「被さる」
    (彼女を事態から消して行為段階を思い浮かべると、帽子がひとりでに浮いて彼の頭を着点として飛んでいく)

構造的には食べるも着るも同様なので、


  • 「彼女が彼に林檎を食べさした」状況から彼女を映像から消して事態を思い浮かべて、林檎が行なっている動作=「食べらさる」
    (彼女を事態から消して行為段階を思い浮かべると、林檎がひとりでに浮いて彼の口・胃を着点として飛んでいく)

    「彼女が彼に服を着せた」状況から彼女を映像から消して事態を思い浮かべて、服が行なっている動作=「着らさる」
    (彼女を事態から消して行為段階を思い浮かべると、服がひとりでに浮いて彼の体を着点として飛んでいく)

    のように考えれば、基本的に想像しづらい自然言語では通常無対とされている他動詞の自動詞がどういった事態を表しているのかは想像しやすいと思います。

全て有対という事は、BANG(殴る)、LAѤCH(舐める)、DAND(叩く)、CAIK(掻く)、BINCH(弾く)、BOUM(揉む)などの他動詞(単向系の行為タイプ)に対応するBONG(殴らさる)、LEѤCH(舐めらさる)、DUND(叩かさる)、CUIK(掻かさる)、BUNCH(はじかさる)、BAEM(揉まさる)などの自動詞もゼノスにはあります。

例えば人が壁を殴った際に、壁に打音と共に打痕が発生しますが、その行為を行っているのが透明人間やステルス迷彩を着てる人物だったとしたら、
側から見てると殴っている人物は見えないので、突然打音と共に壁に打痕が発生したように見えます(正確には動詞BANGは単向系の行為タイプの動詞なので動詞の意味の成立に対象の状態変化や結果としての打音や打痕の発生は動詞の意味には含まれてないですが、イメージし易いのでここでは完了段階に到達=打音・打痕の発生としています)。
現実的にはそういった状況で受動的な事態把握ではなく、自動詞として壁を主体にして見た場合の事態を表すのが「BONG(殴らさる)」です。
しかし、他動詞「BANG(殴る)」の経過段階は動作対象の壁に他動者の拳が近づいていってるだけで接触はしてないので、

DAѤL LUTEW BONG_ЯES
壁が殴らさりつつある

とした場合は壁自体にはなんの変化も起きてない状況を表してる事になり、
例えこれが従動自動詞であっても、動いてる側(他動者)を背景として、変化が起きてない側に最も着目した表現という事になるので、
通常は特に経過段階を表すのに使用する機会はほぼありません。

日本語では、ある人物が木を植えるという事態は例えば経過段階であれば他動詞で

彼が木を植えている

というのが普通で、植えるの完了後に木の方に着目した結果、継続段階では自動詞(脱使役)で

木が植わっている

と表現する場合があるように、現実的な状況ではゼノスのBONG(殴らさる)も

DAѤL GENOW BONG_ЯES
壁が殴らさっている

のように継続段階など完了以降であれば、それなりには使用される機会はあるかなといったところです。

(ここの説明で使われている日本語訳では-(r)asaruを単純にどの他動詞にも逆使役の接辞として使用していますが、実際に北海道方言や栃木県宇都宮方言などでは許容されないものがほとんどだと思いますのでそこは注意が必要です)