✧ 像制
像制は発話内容が動的なイメージなのか、静的なイメージなのかという事を表す文法要素です。
無標であれば動・静どちらにも解釈できます。
❖【動像制】ЯEN:LIS
動詞の後ろに置き、発話内容が動画のように動的なイメージだという事を表します。
時制詞のように動詞の後ろに置き、間にアンダーバーを入れます。
本来は経過相・継続相の意味はありませんでしたが、その動画のようなイメージで伝えるという性質から結果的に本来の機能ではないものの、経過相や継続相を代理する機能も持っています。
線タイプの相制詞と組み合わせればそのまま動画のようなイメージに、
点タイプの相制詞と組み合わせればその前後のイメージも付随した動的なイメージの表現になります。
動詞の前に相制詞が置かれてなければЯEN:LISは経過相か継続相に解釈が可能ですが、
動的なイメージ+経過相と動的なイメージ+継続相のどちらに解釈し易いかは動詞によって異なります。
例えば、ZART_ЯEN:LISなら基本的に継続相の「座っている」と解釈する傾向にあり、
KLENCH_ЯEN:LISなら基本的に経過相の「作っている」と解釈する傾向にあります。
このように動詞によって指向性が異なるのでわかりにくいように感じますが、
基本的に日本語の感覚で考えれば問題ないと思います。
- [時制について]
基本のЯEN:LISでは時制的には現在という事になりますが、他の時制を表す場合はЯEN:LISに時制詞の語頭Rより後ろの部分を後接します。
- 例(動像制確定過去時制)
SVEET_ЯEN:LISOG
走っていた
- 例(動像制不確定未来時制)
SVEET_ЯEN:LISAF
走っているだろう
⚠[注意点]
ここでは動像制詞を「ЯEN:LIS」としてますが厳密には動像制を表す像制詞は「:LIS」の部分(:は像制詞の前に付くただの記号です)でЯENは少し特殊な接続詞です。
(今となってはほぼ一体化して考えられているので動像制詞=ЯEN:LISとしています)
これはつまり日本語の て いる のような感覚で考えて頂ければ良いと思います。
なのでЯENの部分だけを使用し、
ЯAI SVEET_ЯEN FEEV_ЯEN LOOM_ЯOG
私は走って飛んで眠った
のように継起表現的な使い方も可能です。
動像制はその動画のようなイメージという性質から単純に「進行形」などと言われる事もあります。
現実世界でいう進行形とはやや概念が異なるので注意が必要です。
❖【静像制】:ЯEJUS
静止画のようなイメージだという事を表します。
点タイプの相制と組み合わせれば、そのまま一枚の静止画のようなイメージになり、
線タイプの相制と組み合わせれば連続した静止画を並べているようなイメージの表現になります。
静像制詞:ЯEJUSの場合は動詞との間にアンダーバーを入れる必要はありません。
- 例(完了相制+静像制)
VUI ZETS XASH:ЯEJUS TERM
彼が林檎を切りきる
(完了の瞬間を一枚の静止画にしたイメージ)
- 例(経過相制+静像制)
VUI LUTEW BANG:ЯEJUS DAѤL
彼が壁を殴りつつある
(行為の経過段階である拳が壁に近づいていく動きを何枚かの静止画として並べたイメージ)
- [時制について]
静像制も動像制と同様に:ЯEJUSは時制的には現在という事になりますが、他の時制を表す場合は動像制詞と同様に:ЯEJUSに時制詞の語頭Rより後ろの部分を後接します。
例(動像制確定過去時制)
VUI SVEET:ЯEJUSOG
彼は走った
(この場合相制が使用されてないので無相ですが完結相として解釈すると、走り始め〜経過段階〜完了の瞬間までを複数の静止画として並べたイメージで、それが現時点より過去の出来事だと言う事を表しています)
例(動像制不確定未来時制)
VUI SVEET:ЯEJUSAF
彼は走るだろう
(この場合も相制が使用されてないので無相ですが完結相として解釈すると、走り始め〜経過段階〜完了の瞬間までを複数の静止画として並べたイメージで、それが現時点より未来の出来事だと言う事を表しています)
⚠[注意点]
動像制詞「ЯEN:LIS」と違い「:ЯEJUS」で始めから一つの静像制詞となっているので分解できません。
静像制はその静止画のようなイメージという性質から「瞬間形」と言われる事もあります。